リフォームしたら悲しくなった話
アラフォー独身実家暮らしの女が、思い切って借家だった築50年近い実家を購入しフルリフォームを決行した。
そしたらすごく悲しい思いをしてすごく疲れた。
そういうお話。
* * * * *
家を買い取ることにした経緯は割愛します。
管理会社の人にはいろいろ嫌味を言われたが、不動産会社の販売担当の方が優秀でこちらに不利にならないように動いてくれた。
司法書士の先生も親切だった。
管理会社の人は嫌な人だったけど大家さんもいい人だった。
本当に皆さんありがとうございました。
* * * * *
さて、リフォームはその不動産会社がやっているリフォーム事業にお願いした。
インターネットで『リフォーム』と検索すれば、検索結果の一番上にPR広告で出てきそうなめちゃくちゃ大手の会社だ。
完全なやらかしの前に軽めの準備体操から始めましょう。
4月中旬、我が家に現れたリフォームの担当者は、20代後半、返事も明るい好印象の感じを受けた。
でも最初からこちらと話している内容に対していい返事はするものの、次に会った時にはその内容を覚えていないことがあった。
こちらが話しただけでは忘れるかもと思って、希望等をメモして渡してもそのメモの内容を覚えていない。
大手の会社だし、うちだけを担当しているわけじゃないし、忙しいんだろうな。
仕方ないか。
毎回毎回、わかってくれるまでこちらが同じことを言えばいいか。
と思っていた。
思っていたよ。
やらかし前の軽いジャブ①
設備関係のショールームには同行しますと言っておいて、着いて10分で「会議があるので、あとはショールームの担当の方にお任せします」と去っていった。
やらかし前の軽いジャブ②
壁紙のショールームに同行しますと言っておいて、「熱が出たので同行できませんがうちのインテリアコーディネーターにお任せします」と言ってきた。
やらかし前の軽いジャブ③
設備関係を決めたあと、担当がショールームからもらったという資料がこちらが決めた色とは全然違うものだった。
玄関ドアだけは別日にオンライン相談で決定したので、それが担当には伝わっていなかったらしく、決定した玄関ドアの仕様の書類を担当にメールした。
そう、メールした。
ちゃんと送信履歴も残ってる。
やらかし前の軽いジャブ④
契約が近くなってきてから「リフォームローンはどうなりましたか?」と聞いてきた。
住宅購入の際は販売担当の方にローン契約は全てお任せしていたので、リフォームローンは「こちらがやらないといけないのか!?」と焦って銀行と連絡を取り合う。
しかしローン契約に必要な書類が私の手元にはない。
「僕はこれから夏休みで海外に行くんですけど連絡が取れるようにパソコンは持っていきます」と言っていたが担当には一向に連絡がつかない。
銀行にはリフォーム会社からもらってる書類を全部提出してやり取りを繰り返し、なんとか事なきを得て無事にリフォームローンは契約できたけど、銀行の担当者から「リフォーム担当の方は何もしてくれないんですね」と言われた。
「そうですね」としか答えられん……
後日、夏休みから戻ってきた担当の一言
「すみません、パソコン持っていくの忘れてました」
夏休みに仕事のことなんか考えたくないよなわかるわかると思ったし、無事にローンも契約できたから「もう終わったことだしいいですよ」で済ませた。
やらかし前の軽いジャブ⑤
最終契約日と決められた日に、「契約事項に抜けがあって会社から注意を受けました。追加項目とか追加料金が発生するんで今日はそれの了承を得て後日契約でいいですか」と言ってきた。
その後日と指定された日が仮住まいに引っ越しする日だったので「バタバタしてるし流石に疲れてて無理」と言うが「着工も日が近いので…」と言うんで、しょうがないから了承した。
契約日、引っ越しで疲労困憊のまま言われるがままに判子を押した。
仕様書も図面も確認しなかった……
やってしまった……
やらかし前の軽いジャブ⑥
正直もうだいぶ軽くない(笑)
着工が始まって最初の現場立会いの日。
見せてもらった図面は契約前に打ち合わせしていたときの内容と違っていた。
パッと見せられて違うと気が付いたのはエアコンの設置位置だけだったので「これエアコンの位置が違いますよ」と言ったら「あ!図面が古いままだ。変えておきますね」と言う担当。
「変えておいてくださいね」と言った私。
はい、ここフラグです。
覚えておきましょう。
やらかし前の軽いジャブ⑦
壁紙は迷っていたこともあったので、それを担当に伝えて最終的にショールーム訪問2回目で決定した。
もちろん担当は来ていない、はい。
②のときのインテリアコーディネータさんと話して最終決定し、その後オーダーカーテンの話をした。
結局家族で話し合って「オーダーカーテンはいらないです」と断った。
そう、壁紙の変更は決定したが、オーダーカーテンを断った。
はい、ここもフラグです。
やらかし前の……⑧
キッチンに作り付けの棚を付けたいという母の要望を担当に伝えるため、口で言ってもまた忘れられそうなので図面に書き込んで担当に渡した。
寸法も指定した。
「発注した棚板が加工できない仕様になっていて、指定された寸法とはサイズが変わっちゃうんですがいいですか?」と言ってきた。
発注前に確認しとけよそれは……
「駄目って言っても、もうしょうがないでしょ」と母も呆れてそれでいいですよと諦めた。
やらかし前の……⑨
とにかく担当のことがあまり信じられなくなっていたので、壁紙を最終的に2回目で変更したこと、図面に示されているアクセントクロスの位置が1回目のままだったのでそれとは変わっていることを担当に伝えた。
ちゃんと図面にも書き込んで渡した。
ねぇ、渡した図面どこいった。
もうね、リフォームは着工が始まればちょっとは落ち着くだろうと思ってた。
でもとにかく不安でいっぱいで気持ちが落ち着いた日はなかった。
さて、そんな不安を抱えたまま工事は進んでいきまして……
* * * * *
やらかされた①
壁紙を貼っている現場立会いの日、1部屋アクセントクロスの位置が違っていた。
「違いますよね?」と言ったら「そうですよね、すみません。変えさせます」と答えた。
やらかされた②
施工も終了し検査前の立会いの日、変更した壁紙が反映されていなかった。
「これ違いますよ、2回目で変更したって言ったじゃないですか。品番もこれです」と伝えると「え?!そんな!」とすっかり忘れている模様。
ねぇ、渡した図面どこいった。
さすがに家族が悩んでこだわって決めた壁紙だったのでこちらもしょうがないなと諦めるわけにはいかない。
そこはちゃんと変えてもらった。
やらかされた③
リフォーム会社の社内検査も終わり、施主検査という日。
それまで段ボールに覆われていた玄関ドアを初めて見た。
「ドアが違う!!!!」
第一声、多分すごく大きな声が出たと思う。
ショールームのオンライン相談で決めた玄関ドアとは全然違うドアがついていた。
担当は慌てて仕様書を確認する。
しかし、仕様書には今ついているドアの型番が書いてあった。
「え、でも私資料メールしましたよね?」とメール画面を見せる。
「あ!」となる担当。
担当は私が忘れないようにと親切にメールした資料を元に、仕様書を変更していなかった。
そして私も、契約の日、疲労困憊でちゃんと契約書の中の仕様書や図面を確認しなかった。
でも玄関ドアは家族みんなで時間をかけて決めたものだ。
他人に興味がない、そろって話すこともない、そんな家族がみんな集まって「あーでもないこーでもない」と話し合って決めたドアだ。
風水にこだわる母が、玄関は明るいほうがいいと明り取りが広く、鍵はワンタッチで開くほうがいい、スマホで開閉の記録が見れるから高齢の両親の外出が把握できると決めた。
「ドア、このままじゃダメですか?」と恐る恐る聞いてくる担当に、さすがにここは引き下がれないと「変えてほしいです」と伝えた。
契約書の仕様書どおりの型番でドアはついている。
私は契約書を確認して判子を押したという議事録も残っている。
契約書をちゃんと確認しなかった自分が悪いというのはよくわかっている。
ただ、担当が打ち合わせで決めたこと、こちらから資料をメールしたことをないがしろにしたことが悲しかった。
忘れっぽいのもこちらが言ったことを覚えていないのもわかっていたけど、わかっていたからメールでも念を押したのに、結局忘れていたことが信じられなかった。
社会人としてどうなの?会社もちゃんと指導するべきだろ?と思った。
二日後、担当は「契約書通りに工事を行い、変更はきかない」という私が判子を押した念書を持ってやってきた。
「会社がこれ持って行けと言いました」と。
「ドアは費用を出していただければ変更します」
「僕のミスなので、僕が個人的にお金を出して鍵を変更することもできます」と。
なに言ってんだ??????
契約書に判子を押した、念書にも判子を押した、向こうの言い分もわかる。
でも、それ以前に会社は社員のミスに謝罪はしないのか?
うちの会社だったらこんなミスが発生したら、リスク発生メールが回って、支社長指揮でリスク対応に当たるレベルだ。
あんな大手の会社なのに、上司は顔も出さず謝罪もなく、あまつさえ社員個人に賠償させようとしているのか?
信じられない、なんて会社だ、そんな会社で働く意味ある?
と、憤り、そして担当の身を心配した。
個人で賠償させるなんて意味がない。
家族で話し合って「そんなことしなくていいです。玄関はこのままでいいです」と伝えた。
やらかされた④
なんだかんだあったが引き渡してもらった。
(なんだかんだの細かい内容はもう割愛したい……なんだかんだあったのよ)
光工事をお願いして、ついでに全部屋に光テレビを引き込もうとしていた。
しかし工事業者さんがやってきて初めて発覚した問題。
部屋にテレビ端子がない!
そういえばコンセントの位置が全部思っていたところに付いていない!
古い図面のまま電気の配線工事が行われていた。
古い図面……そうそれは担当が最初に作ってきた僕の考えたリフォーム案の図面である。
そのあと、ここはこうしてほしい、ここにはこれはいらないなどと打ち合わせをして、担当が赤書きで書き加えていた内容は一切反映されていなかった。
家族、みんなそれぞれに趣味があるので部屋にはそれぞれアンテナを引いてほしいとお願いしていた。
なあ、君が一生懸命書きこんでいたあの赤書きの図面はどこにいったんだ。
立ち合いの日、「図面が古い」って自分で気づいたよね?
なんで変更しなかった?
なんで????
テレビが観れないのは死活問題だ。
アンテナの配線工事をしてほしいとお願いした。
「会社に確認します」ともはやお決まりの返答をもらってから5日待ったがその後音沙汰がない。
年末も押し迫っている。
私は俳優やアイドルを推しているオタクだ。
この年末年始、推しが観れないなんて耐えられない!
Tverで観れるかもしれないが、オタクは録画できないなんて耐えられない!
我慢できず、近所の電気屋さんに連絡して見に来てもらった。
「配線状況がわからない。せっかくリフォームしてきれいになったのに、自分たちがやってもきれいに配線できないと思う。配線状況のわかっている施工業者さんにやってもらったほうがいいですよ」と断られた。
担当に催促の連絡を入れる。
「まだ業者さんから返事がなくて、明日には連絡いたします」と言ってくる。
それから2日後、「工事はできますが別途費用が発生します」と言ってきた。
何度も言うが本当に死活問題なのだ。
「費用が発生してもいいからお願いします」と伝えた。
やらかされた⑤
さて、ここまで色々あった。
私はあまり人に愚痴を言うことがない。
でも色々あってさすがに疲れてきて、なにより悲しくて、誰かに話したくなった。
会社の人、友だち、ことのいきさつを話した。
みんな「その会社おかしくない?」「上司が出てこないとかおかしくない?」と言う。
うん、私もそう思う。
そしてテレビが観れなくて困っている、電気屋さんにも断られたという私の話を聞いて、顔の広い美容師さんが知り合いのリフォーム会社の人に電話してくれた。
そのリフォーム会社の人が「それ、担当が会社に報告していない可能性があるよ。大問題だから、確認したほうがいいよ」と言ってくれた。
そうして背中を押された私は、そのリフォーム会社のお客様相談センターに電話した。
そして偉い人から電話があった。
担当、会社に報告していなかった!
つまり、「会社に確認してみます」「会社がこれ持って行けと言いました」と言ったのも全部嘘だった。
あいつ、お客様に嘘ついていた!
それまで、たくさん案件抱えて忙しいんだろうな、こちらが無理言って悪いな、会社からのプレッシャーがひどいんだろうな、個人に責任負わせてひどい会社だな、そんな会社辞めちまえよ、と色々担当の事情を推し量っていたのに、嘘ついていた!
本当に悲しくて悲しくて
女だからって舐められてたんだ。と思ったら悲しくて悔しくて……
偉い人からは「契約以前の問題なので玄関ドアは交換させていただきます。アンテナ配線工事も費用はいただきません。すぐに手配させていただきます」と言ってもらった。
もはや笑うしかない不運
クリスマスの日、アンテナ配線工事を行ってもらった。
電気工事会社の人が点検口から天井裏に入ろうとして天井破った(笑)
天井に穴が開いた(笑)
12月30日、なんとかその穴はふさがりました。
よかったよかった。
* * * * *
偉い人から直接謝罪は受けましたが、「ほかに何かお困りごとはありませんか?」と言われても「いやもう、終わったことですし」としか答えられなかった。
本当は母親が外にコンセントを設置してほしいとお願いしていた。
担当も「駐車場側にもコンセントがあると便利ですよ」って図面に書き込んでいた。
その話をしたら担当はキョトンとしていた。
いつもみたいに「あ!」ってならなかった。
これはもう完全に忘れているらしい。
悲しいな。悲しい。
4ヶ月強、ずっと彼と打ち合わせを重ねてきた。
そんなに仲良くない家族がみんなで話し合って決めてきた。
家がきれいになったら、ああしたいこうしたい、みんなの夢が膨らんでいった。
その時間が全部なかったことにされた。
悲しいな。すごく悲しい。
彼にとって、うちはすごくどうでもいい物件だったんだ。
そんなに予算もかかってないし、独身女の依頼なんてどうでもよかったんだ。
なにかミスがあるたびに、「忙しいから」「大変だね」と担当のことを心配していた母と私の気遣いも無駄だったんだ。
悲しいな。すごくすごく悲しい。
「彼、僕と話していても忘れることがあるんですよ」って言われたが、いやそういう人を一人で担当させるなよ。
ちゃんと指導しろよ。
せめてサブで誰かついておいて、長期休暇の時はその人にお任せしていますとかしろよ。
まだ、玄関ドアの件は解決していませんがとりあえずテレビも観れるようになって、なんとか年を越せそうです。
本当に疲れた。
本当に疲れた。
あ、でもよかったこともあるよ。
断熱材すごい!
12月雪の降る日もあったけど、暖房付けなくても朝そんなに寒くなかった。
前の家は寒くて凍えてたし、一日前に届いたおせちを自然解凍させようとしても凍ったまま正月を迎えてた。
あと、昭和後期のままだった水回りの設備が最新になったので快適です!(笑)
それから、私の周りに私のことで一緒に怒ってくれたり心配してくれたり、行動を起こしてくれる人がいることを知りました。
みんながいなかったら、泣き寝入りしたままだったと思う。
本当にありがとうございました。
すごく嬉しかったです。
* * * * *
「勉強したね」と言われることもあったけど、リフォームなんて一生に一回あるかないかだ。
いつか役に立つかわからないけど、とりあえずこれから先これを見ている人がリフォームすることがあったら気を付けてほしい。
打ち合わせの段階で、担当がこちらの話を覚えていなかったら変えてもらったほうがいい。変えられないならその会社やめたほうがいい。
議事録はしっかりとったほうがいい。
図面は毎回ちゃんと変更されているか確認したほうがいい。
契約するときは仕様書と図面もちゃんと見よう。
引越しの日に契約なんてしちゃだめだよ。
どうしても年内に吐き出して厄払いをしたかったので、書き出してみました。
読んでほしいという気持ちより、吐き出してすっきりした気持ちで新年を迎えたくて。
ここまでお付き合いいただきありがとうございました。
どうぞ皆様、よいお年を。